懐かしい場所に再訪

母が私の自宅近くの病院に掛かる事になり
父と共に行ってきました。
母の病状は「認知症」と呼ばれるものです。
母の場合は物忘れ(特にすぐ前に起こった出来事を
忘れてしまう)や精神的不安感、といった症状です。


認知症」は罹ってしまうと完治しない病気です。
病状が進行しない様に色々な手段を用いて治療
を行う長期的な視野で接していく病気です。


その色々な手段の一つに「懐古を楽しむ」という
方法があるそうです。
その人にも依りますが、認知症の人は比較的昔の
記憶はしっかりと覚えている事が多いそうです。
その記憶をたどっていく事で良い意味で刺激にも
なる事があるそうです。
以前に家族で住んでいた地域が私の自宅のある市の隣り
ですのでこの機会にその地域に行ってみるのも良いかな
と考え、行ってみる事にしました。
実に22年振りに家族での再訪です。
私自身も久し振りですのでとても楽しみです。


最寄りの駅から懐かしい道を歩き、最初は母の知り
合いのお宅に所用があった為伺いました。
久し振りの友との再会で随分と母も楽しかった様です。
良かった。
歩いていたら、偶然父の中学校時代の同窓生の方と
お会いし、父も楽しそうでした。これも良かった。
次は私の父と姉と私自身が卒業した小学校へ。

比較的小さい小学校ではありましたが、改めて見てみる
と自分が大人になったせいか随分と小さい印象でした。
ただ、校舎をはじめ他の木々などの雰囲気が私が卒業
して25年以上経ちますが、殆ど変っていなかったので
とても嬉しく思いました。


開校当時からある「しいの木」

当時の事を物凄く思い出す事ができた瞬間でした。


そして、家族で住んでいた団地をちょっと散策。
昔ながらの団地の雰囲気いっぱいです。


当時はみんなできちんと草むしりをしていて、一軒
ずつの「庭」のスペースもきちんとしていた団地の
裏庭でしたが、現在はご覧の通りでした。
とても残念でした・・・。



隣りにある中学校の方にまで枝が伸びて立派な幹に
なっていた桜。

私が小さい頃に何回も「逆上がり」をしていた鉄棒
に寄りかかりながら父母は眺めていました。
春にはきっととても綺麗な花が咲く事でしょう。
当時もとても綺麗でしたから。



そして、その桜のすぐ向いにやはり私の父と姉と私自身
が卒業した中学校があります。
当時と殆ど変わりのない門の所を眺めていたら学校関係
の方が人待ちの気配で立っていました。
こんにちは!とお声を掛けて下さいました。
その方はこの中学校の先生との事でした。
我々が卒業生である事をお伝えしましたら、とてもお喜び
頂き、「折角ですので是非ごゆっくりとどうぞ」との
お言葉まで頂きました。
嬉しい限りです。


当時通っていた門の所にて。
門自体は当時の鉄門で柵も当時のものの様でした。
懐かしいなぁ。

中学三年の時は自宅から門までの距離よりも、門から
教室までの距離の方が遠い、なんて時もありました。
住んでいた団地の両側に小・中学校があったので、今
考えてみると恵まれていたんだなぁと改めて思いました。


この中学校はもう一つの中学校と合併をし、新校舎に
建て替え中です。
こんな感じで正に「建設現場」でした。

歴史転換の最中?かなぁ〜。


その後、私の中学時代の後輩が若旦那としてきりもり
している和菓子屋さんに顔を出しに行ったのですが〜
 残念! 今日はお休みでした・・・
またの機会という事で。

当時よく買い物をしていた商店街を懐かしく眺め
ながら歩き、午後1時半になってしまったので昼食
にする事に。
父が「ゆっくりできそうなお店がいいなぁ」と言うので
たまたま通りがかった所にあったお寿司屋さんに入る事に。

ランチセットの様なメニューがあったのでそれにして
みました。

それなりに寿司の味にうるさい江戸っ子の父も
まあまあ納得のいく味だった様でした。


食後は最初に降りた駅の一つ先の駅までまた懐かしの
道を歩き、帰宅しました。
母にとっても、そして父と私にとってもとても有意義
な貴重な時間を過ごす事ができ、本当に良かったなぁ
と思った一日となりました。